共生ジャーナ「チャレンジテストの問題を考える」

2020/11/27 なぜ、チャレンジテストが団体戦なのか (志水博子さん)

・「チャレンジテストの問題」学習会を志水博子さんから説明してもらいました。テスト結果は教員にとって今後の指導にいかすためのもの、また、子どもたちにとっては到達しているかどうかをチェックし今後にいかすためのもの。しかし、「チャレンジテスト」の答案用紙は返却されませんので何が間違ったのか子どもたちは振り返ることができないそうです。

・大阪府教委が行ってきた中学生のチャレンジテストは教育行政の課題を明らかにすることを実施要綱で書かれてはいます。しかし、おもな狙いは「チャレンジテスト」で学校のランク付けを行い、そのランクにあわせて子どもたち一人ひとりの5段階絶対評価が決まるシステムです。相対的に学校の平均点が良い学校のランクは高く、逆に、平均点の悪い学校のランクは低くなります。

・図の相対グラフは5段階内申点評価(縦軸)と就学援助率(横軸)をあらわしています。この相対グラフからわかるように、比較的裕福な地域(就学援助率の少ない地域)の学校の内申点の平均値が高く、逆に貧しい地域は低いことがよくわかります。

・低い中学校の生徒がいくら学校でがんばっても良い内申点がもらえないシステムになっています。文字通り貧困の固定化です。

 

・大阪維新の会の橋下通大阪市長が高等学校受験の内申を10段階相対評価から5段絶対評価にと表明して以降、大森不二雄などお気に入りの教育委員にすり替えシステムを変えてきました。その意向に沿ったものがこの「チャレンジテスト」です。相対評価では不利益になる附属中学校や学力の高い地域に配慮する、言い換えれば、しっかり税金を納めてくれる地域の学力の高い中学校を配慮する差別的なシステムなのです。