「子どもの貧困対策」 西宮市から学ぶ

2019/11/9 サポートユニオンwithYOU 共生ジャーナル学習会 ①

■11月9日(土)が開かれ、子どもの権利の視点を中心に議員活動をされている西宮市議一色風子さんが、西宮市の取組を報告され、同席した吹田市議の五十川有香さん、茨木市議の桂睦子さんも各市の課題を報告しました。

■2013年成立した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の出発点は、1994年子どもの権利条約の批准にさかのぼります。条約の第2条では貧富の差によって差別されない権利があると明記しています。

■貧困対策法では、子どもの将来が、生まれ育った環境によって左右されないよう、健やかに育成される環境を整備、教育の機会均等を図ることを目的とすると書かれています。

■各市のとりくみは、貧困の実態把握でも異なります。西宮市は、小5、中2の子ども、保護者対象に経済状況、生活実態調査を行い、吹田市は府下で行われた同一のアンケート調査を実施。両市とも50%程度の回収率のアンケートで貧困の実態を正確に把握できたのか疑問が残りました。茨木市は、貧困に関する指標の設定を行い、すでに調査済みの数値で施策を検討しています。

■実態把握の後、西宮市は、「子供の生活応援体制整備計画」、吹田市は「吹田市子供の夢・未来応援施策基本方針」茨木市は「未来はかえられるー子どもの貧困対策」をまとめています。西宮市、吹田市とも貧困率は全国平均より低く、貧困が見えにくい街とする分析がされますが、逆に貧困の実像に迫るための手法が求められています。

■今年「改正こども貧困対策の推進に関する法律」が制定、各市では貧困対策の計画作りが求められます。その際「学校のプラットフォーム」は大きなテーマです。貧困対策の拠点として、学校が子どもの置かれた環境(経済状況含め)を把握し対応を議論出来るのか、また地域の活動と繋がっていけるか、学校の役割は大きいと痛感しました。■子どもの貧困の課題は、教育支援だけでなく経済的支援、生活支援などにまたがります。西宮市は、「子どもの生活応援連絡調整会議」吹田市は「子どもの貧困対策に関するワーキングチーム」茨木市は「子ども・若者支援庁内調整会議」が全庁的な体制づくりの核になります。茨木市が先進的なのは、地域の活動のヒヤリング、ワークショップを開催し、行政の施策として取り込みますから、子ども支援と若者支援が連携して若者の居場所作りへと展開。庁内調整会議は年間3回開かれ、教職員負担軽減に業務サポーターの配置、子ども保護者支援の充実策として学習サポーター、スクールカウンセラーの拡充等が位置付けられます。

 

■吹田市では、来年提案される「子ども・子育て支援事業計画」に対してパブコメを11月29日必着で求めていますが、子どもの貧困問題が盛り込まれているのか注目してほしいと五十川議員は呼びかけられました