厚生年金加入チェックを/79万事業所、負担逃れか/厚生年金未加入200万人

コミュニティーユニオン全国ネットメール通信 N0.1000(2016/1/18) (20160116共同通信)

・ 本来なら会社員向けの厚生年金に入ることができるのに、未加入の人が約200万人に上るとの推計が明らかになり、政府が対策に本腰を入れ始めた。厚生労働省は保険料負担を逃れるために、手続きを取っていないとみられる全国79万カ所の事業所に緊急調査を実施する。将来、年金額が不足しないように、自分でも加入状況をチェックする必要がありそうだ。

・ 厚生年金は全ての法人事業所と従業員5人以上の個人事業所(飲食業や農林水産業などは除く)が適用対象で、正社員や、勤務時間が正社員の4分の3(おおむね週30時間)以上のパートやアルバイトを加入させる義務がある。保険料(現在は月給の17・828%)は事業所と働く人が半額ずつ負担する仕組みだ。

・ しかし、以前からこの負担を逃れようと手続きを怠る事業所が後を絶たず、厚労省は国民年金の加入者にアンケートをしたり、国税庁から提供を受けた納税データと厚生年金に加入している事業所データを突き合わせたりして実態を調べた。その結果、約79万事業所が厚生年金の手続きを取らず、約200万人が未加入と推計。年代別では20代が約71万人で最も多く、30代が約52万人、40代が約44万人、50代が約35万人だった。

・ 会社員は国民年金(基礎年金)に上乗せする形で厚生年金に加入する。国民年金でも保険料を40年間払い続ければ、現在は月額約6万5千円を受け取ることができる。しかし国民年金はもともと定年がない自営業者らのための制度で、老後に収入が得にくい会社員にとっては到底十分な額とはいえず、生活が不安定になる恐れがある。厚生年金は平均的な給料の人の場合、月額約15万7千円支給される。

・ 日本年金機構はこれまでも未加入が疑われる事業所に電話や文書で通知し、応じない場合は職員が訪問指導や立ち入り検査を行うなどして加入を促してきた。今後は79万事業所全てに調査票を送付して加入状況を調べるほか、さらなる対策を検討する。

・ ただ対象があまりに膨大で、相当な時間がかかるのは必至だ。その上、未加入の大半は中小・零細企業で家族経営も多いとみられる。ある厚労省幹部は「保険料を負担すると経営破綻するところも多いはず。社会の在り方に制度が合わなくなっているのではないか」と漏らした。

 

〈厚生年金〉

・ 厚生年金 公的年金の一種。

・ 20歳以上60歳未満の全国民が加入する国民年金(基礎年金)に上乗せして会社員や公務員が加入する。

・ 保険料は所得に比例して決まり、労使で折半する。従業員の負担分は給料から天引きされる。

 

・ 昨年10月に公務員向けの共済年金を厚生年金に一元化したため、現在の加入者は約4千万人。昨年3月末で約187万事業所が加入手続きを済ませている。

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