記念講演「若者・女性の貧困問題を考える」

2021/7/11  矢野宏さん(「うずみ火」編集長)

 

・「大阪すでに医療崩壊」「埋まる病床遠い治療」「競争だけが教育か」これらのタイトルが「新聞うずみ火」の2021年5月~7月の表紙を飾っています。

・11年を迎えたサポートユニオンwithYOUの大会にふさわしいお話を聞きたいと考えて「新聞うずみ火」の編集長矢野宏さんを招く企画をしました。

・第3回「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」を2月に受賞され「地方から中央の権力を監視し、批判する新聞」(ルポライター鎌田慧さん評)を毎月発行されています。今回の受賞は、45作品の中から選ばれた大賞であり、15年継続した取り組みが評価されました。

・101歳で亡くなるまで反戦を訴えられた不屈のジャーナリストむのたけじさんは、1948年から78年、30年間週刊新聞「たいまつ」を発行されました。

・自分の身を焼いて暗闇を照らすたいまつになるために新聞を作成されたように、灰の中にうずめた火が絶えることなく燃え続けるようにと「うずみ火」はいい新聞はいい読者が作るというスローガンのもと、今や1989人の読者によって支えられた新聞になっています。

・大阪をベースにした記事発信(地域的土着性)と地域を超えた継続した人権・平和をテーマにしたとりくみ(政治的全国性)が毎月私たち読者に届けられています。

・いつもは冷静な矢野さんが憤りをもって語られた最初のテーマは、「表現の不自由展・その後」の東京・名古屋での開催中止、延期になった経緯の不明さ、懸案されていた大阪では主催者・市民の見事な連携で3日間の開催が実現されましたが、その背景にあるのが暴力的な妨害に対して安全を理由に会場の提供を拒む吉村、河村の自治体首長たち。

・表現の自由を認めたくない人たちの共通した政治姿勢は、レッテルを張って差別していく手法、異論を敵視する政治です。

・大阪の維新政治の中で起きる医療崩壊。コロナ禍の五輪開催においても多くの人が開催中止を求めているのに、強行している姿勢は開戦前の当時の日本と同じで、科学的データーよりも空気だけで突き進んでいます。

・誰のために五輪が開催されるのかの議論よりも、反対者は反日というレッテルを張って差別化している安倍・菅政治。その中で非正規労働者の増加、そして女性の自死増加が進行しています。

 

・社会情勢としては、厳しい状況が続きますが、「新聞うずみ火」の活動が灯す火は燎原の火のごとく拡がります。しかし「オリンピックを止められないようでは、戦争は止められない。」という矢野さんの言葉は重くのしかかってきました。