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〈情報〉青年ユニオン最低労働時間の保障求める

2021/5/10 CUNNメール通信 青年ユニオンが政策提言/シフト制の休業補償問題

・首都圏青年ユニオンは5月6日、「シフト制労働黒書」を発表した。休業手当が支払われないなど、シフト制労働者をめぐる12の事例を告発するとともに、改善に向け
た政策提言を行っている。最低労働時間の保障や、休業手当の引き上げ、アルバイト学生の雇用保険加入などを求めている。
・同ユニオンは、昨年4月から12月までに約800件の労働相談を受けた。その多くが、コロナ禍の中、飲食業などで働くパート・アルバイトの「補償なし休業」問題だったという。
・黒書は、そうした事例を踏まえて顧問弁護団と協力してまとめた。
・労働基準法26条は使用者に対し、休業した労働者に手当の支払いを義務付けている。しかし、いつ、どれだけ働くかを指示するシフト表が作成されていない期間について、使用者は「休業ではない。シフトを入れていないだけ」として手当を支払わないケースが多発している。シフト表がない状態では「休業」の発生そのものがあいまいになりがちで、労働基準監督署も手当の支払いを命じにくいという。
・国が使用者に代わって支給する休業支援金制度も創設されたが、特例措置であり、根本的な解決には至っていない。

●雇用保険法拡充も必要

・黒書の政策提言は、シフト制労働者の休業補償問題を一層前進させることを目指した。法改正や行政運営の改善、労使による協定締結などを求めている。
・労働者が仕事を外されているにもかかわらず、シフト表が作成されていないために「休業」として扱われず、手当が支給されない問題については、過去の労働実態や労働条件通知書の記載などに基づいて「契約上合意されている労働時間」を確定すべきだと主張。行政の法解釈を変更すれば実現可能と訴えている。
・欧州連合(EU)の指令なども参考に、最低労働時間を規定する方法も提案している。シフトが入らなくても「これだけは働いたことにする」というもので、一定の収入確保につなげることができる。労働基準法の15条(労働条件の明示義務)と89条(就業規則の作成)で定めるべき事項への追加を要求した。
・このほか、現行6割水準の休業手当を8割に引き上げることや、失業に備えて雇用保険法を拡充することも必要とした。