2020/7/20 東京新聞
・20年ほど前になるだろうか、「君が代」の斉唱を強要されはじめたころ、勤めていた中学校で子どもたちといっしょに「日の丸」「君が代」の問題をアジアを侵略した戦争の実相と起立斉唱における内心の自由などを通して学習した。何度も校長とも話をし、予行の際、校長は戦争のこと内心のことを話し強制はしないと子どもたちに話してくれた。もちろん市教委もその立場を否定しなかった。その結果、卒業式式では「斉唱を行います、ご唱和される方はご起立ください」といい、教頭がスイッチを押しテープが流れた。ほとんどの子どもたちは起立しなかったし、立った者も歌うことはしなかった。
・そういうとりくみをを重ねる中で、府教委の締め付けがあらわになり、じわりじわりと職務命令をチラつかせるようになった。
・10年前、私が定年を迎え最後に担任をしていた三年生の卒業式で、校長は「島野さん、私は前を向いて歌いますので、あなたが立っているか座っているかわかりません」、そして「こんなことで、共に教育に関わってきた人間として、その関係を壊すことはできません」とはっきり話してくれた。別に市教委には不起立を報告されても屁とも思わなかったが、この校長の生きざまに惚れた。
・しかし、この東京都教委の指示はあまりにも常軌を逸している。もはや、新たな戦前と言わざるを得ない。教科書の内容から人権福祉平和が消されていく中で子どもたちは間違った教育で飼い慣らせれていくことが心配だ。
コメントをお書きください