コロナ禍、いま、何をなすべきか

2020/4/27 熊沢誠(労働と人権サポートセンター共同代表)HPより

・徹底したSTAY HOME!がなによりも大切なことは了解する。

・問題は安んじて家にいることのできない人びとの分厚い存在だ。

 第1に、医療。介護、食品小売りなど日々不可欠な現場で働く労働者たち。

 第2に、正社員ホワイトカラーのように在宅勤務または特別休暇に恵まれず、広義の受付等の業務に勤務を強いられる非正規労働者や派遣社員。

 そして第3に、休業で失職して日々不可欠の日銭を失い文字通り明日の生活にも困窮する、やはり非正規雇用者、派遣社員、学生アルバイト、ホームレス、外国人労働者、DVシェルターのシングルマザーなどである。

・どこからも不安の呻きがきこえる。補正予算は30日に成立するけれど、安倍政権のコロナ被害への救済・補償・支援政策はあまりに乏しい。例えば雇用調整助成は本当に非正規労働者にも休業手当を補償できるのか。「(事業)持続化給付金」の損失補償はもともと収入不安定なフリーランサーも包括できるのか。「10万円」は本当に第3グループの人びとにも届くのか。いつ現金を受けとれるのか。

・長い眼でみれば、公共部門・公務員の削減、医療・介護の資源「節約」など、暦年の新自由主義政策の原罪性を問うべきは当然であろう。

・だが、今はとりあえず、まったく素人考えながら、こんなことはできないだろうか。

・産業界のものづくり能力をあげて危機にある医療・介護に必要な資材の供給に軌道づけること。

・医療・介護部門にかぎり外国人労働者を迎えること。

 

・生活保護制度の適用を臨時的にでも思い切って拡大すること。「10万円」給付に頼るなら3ヵ月くらいはくりかえすこと。確実に膨大化する行政事務の処理のため。コロナ失職者を臨時の公務員に採用すること。そして、コロナが「戦争」ならば防衛費をコロナ対策費に回すこと。トランプが褒めちぎる、アメリカの中古兵器の購入など、この際もってのほかである。