関西生コン労組役員ら延べ81人逮捕に「正当な活動を処罰」労働法研究者らが抗議声明

2019/12/10  東京新聞・毎日新聞につづき京都新聞が

 

 ・京都府警や滋賀県警などが、生コンミキサー車の運転手らが加入する全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)の役員や組合員を威力業務妨害や恐喝未遂、強要などの疑いで逮捕している一連の事件について、労働法を専門にする研究者78人が9日、「憲法と労働組合法で保障された正当な労組活動を犯罪として処罰している」として抗議する声明を出した。

 

・立命館大の吉田美喜夫名誉教授や中央大の毛塚勝利名誉教授らが24人が呼び掛け、全国の大学や研究機関に属する研究者54人が賛同人として名を連ねた。
・声明は、一連の事件で起訴事実とされた活動は、労働条件の改善や企業に法令順守を求める一般的な労組活動と指摘。日雇い労働者を正社員にするよう働きかけるなどの組合要求を、警察や検察が「軽微な違反に因縁を付ける妨害行為と捉えている」とし、「裁判官は、労組法上の組合活動の正当性を真摯(しんし)に判断すべき」としている。
・同日会見した吉田氏や毛塚氏は「子どもの保育園に提出する就労証明を経営者に出してほしいと求めたことが強要容疑にされるなど、労組の日常活動が処罰されている。労働基本権を無視した、過去にない異常事態で労働法研究者として見過ごせない」と指摘した。
・関生支部は企業の枠を超えて加入する産業別労働組合。滋賀県内の倉庫建設工事を巡り、関生支部が商社支店長に対し、支部と協定を結んでいる生コン業者から生コンの供給を受けるよう求めたことを強要未遂として、滋賀県警が2018年7月に委員長(77)らを逮捕して以来、これまでに延べ81人が逮捕、延べ69人が起訴されている。