「和解して良かったですね。」という中、しなかった課題が山積

2019/10/17 塩田裁判和解合意へ

塩田さんの吹田市復職及び公務員法の欠格条項撤廃を求める裁判は、吹田市と和解することで、4年間の裁判は終了しました。

6月に控訴された裁判は、一審判決を受けた裁判官が、和解協議を強く勧めた結果、9月2日、吹田市は、従来の姿勢を変更して和解協議に応じることを表明しました。9月24日以下の内容の文章が本会議において提案され、9月26日の財政総務常任委員会では、全員賛成によって委員会可決されました。これを受けて10月7日(月)本会議最終日では、質問、討議も行われることなく可決されました。

最終期日にあたる10月16日、和解が成立し、裁判官は塩田さんに対して「皆さんの応援を力にして今後も頑張って下さい。」と激励、「はい。頑張ります。」と応じました。吹田市に対しては「今後も障がい者雇用を一層進めて下さい。」と要請して、「はい。」と答えました。この「はい。」の言葉の重みをしっかり記憶に留めたいと思います。

 

《和解条項の内容》

 ・被控訴人は、これまでも障害者との共生社会の実現に向けて、数々の取組みを行ってきたものであるが、昨今の障害者立法の流れを踏まえ、今後一層の取組みを深め、障害者の就労支援を含む「障がい者計画」等の実現に向けた努力をする意向であり、控訴人は、被控訴人のその意向を理解するものとする。

  以下は中途省略しますが、

 ・控訴人(塩田さん)は、被控訴人(吹田市)に対する本件請求を放棄し、損害賠償その他一切の請求をしないこと及び訴訟費用は、第1審、第2審を通じ、各自の負担としています。

 

今回の裁判によって、欠格条項の法律は改正され、大きく前進しましたが、塩田さんの復職はゼロ回答。吹田市における障がい者雇用の拡大に関しては、和解で示した方向性を具体的に実現させる課題が残ります。3度も拒否されている後藤市長との話し合いも求めなくてはなりません。「和解して良かったですね。」という印象を持たれる方が多いと思いますが、裁判で決着しなかった課題が山積しているのです。

 

11月30日(土)には報告集会が、大阪国際交流センターで予定されていますが、障がい者の生活権の確立を求める闘いは今後も続きます。