連合の高プロ制容認を批判/全労連、全労協、全国ユニオン

2017/7/15 連合通信

〈ユニオンとして思うこと〉

・賃金はすなわち労働時間の対価、職務が同じであれば同一賃金と認識しユニオンは闘ってきた。

・これを根底からくつがえす新たな残業代ゼロ法案は、労働者を泥沼に追い込む資本の理論だ。長時間労働と過労死・過労自死に喘ぐ労働者とその家族のことをまったく考えす、これに追随する連合を指導する幹部はいずれ地獄に落ちるだろう。

 

〈連合へのコメント〉

・連合が高度プロフェッショナル制(高プロ制、残業代ゼロ制度)などの修正を政府に要請し、導入を事実上容認したことについて、労働団体やその役員が7月13日、コメントした。

・全労連の橋口紀塩事務局次長は同日の会見で問われ、「非常に残念だ。今まで反対の立場を堅持してきたのに、修正はあり得ない。東京都議選で明らかになったように、安倍政権の支持率が下がり、批判が渦巻いている中で、なぜ助け船を出す必要があるのか。ナショナルセンターの違いを超えて、一致して反対していたのに残念というほかない。(法案成立阻止へ)雇用共同アクションや全国過労死家族の会との連携を強めたい」と語った。

・全労協は同日、「政労使合意に向けた密約に断固反対する」との文書を関係団体に送付した。連合の修正要請の実効性に疑問を呈し、「再び長時間労働による健康被害・過労死を促進することは明らか」と指摘。「労働組合がなすべきは、労働弁護団や労働諸団体と共に政府財界に迫ること。決して連合が代行すべきものではなく、いわんや使用者の労働時間管理義務を免じ、定額働かせ放題を容認することではない」と厳しく批判している。

・連合加盟の全国ユニオンも反対声明を発表した。報道で知らされた経緯や、直前の会合で「三役会や中央執行委員会で議論する必要はない」と述べたという逢見直人事務局長の答弁を紹介し、「修正内容以前に組織的意思決定の経緯及び手続きが非民主的で極めて問題」と批判。現場感覚からあまりに乖離(かいり)していると述べ、「長時間労働の是正を呼び掛けてきた組合員に対する裏切り行為であり、断じて認められない。連合は国民・世論の支持を失ってしまう」と警鐘を鳴らしている。