過労死を防ぐために、アンテナを高く上げよう

2015/11/9(日)「過労死等防止対策推進シンポジュウム・大阪」

・2014年6月に過労死防止法と過労死防止対策大綱が成立し、11月に施行されました。そして、この11月が過労死防止の月間になっています。

・11月9日、グランフロント大阪で厚労省・大阪府・過労死防止大阪・大阪過労死を考える家族会による「過労死防止等防止対策推進シンポジウム」が開かれました。

・会社から「君は会社に大変迷惑をかけた」「人に聞く前に自分でマニュアルを見て仕事しろ」「物流は時間だ、単独乗務で売上をあげろ」「飲食業は長時間勤務があたりまえ、不信を乗り越えるためにチーフも営業に出ろ」「もっと朝早くから仕事をしろ」など罵倒し、血圧や頭痛そして胸の痛みを訴え、うつ病に陥った労働者をぎりぎりのところに追い込み過労死に至らしめたのです。

・過労死で夫や息子を失った家族会から、残された妻や母が、「本来は余暇を楽しみ、充実した人生を送り、天寿を全うするのが人間の姿」「働き方や職場環境により誰にでも起こりうる身近な問題」「夫の死を無駄にしないでほしい」など無念さを訴えました。

・企業内の過半数を代表する労働組合は労働協約で36協定を結んでいます。この協定での時間外勤務は1か月で45時間、1年で360時間が上限とされています。この範囲内時間であれば、労基法違反ではありません。過労死ラインの1か月100時間(所定40時間を含む)、2から6か月80時間(所定40時間を含む)のうち、2から6か月の40時間の時間外労働は36協定とほぼ同じ時間であり、この協定も見直さなければなりません。

・しかし、36協定が結ばれていない中小事業所で働く、とりわけ、物流・コンビニ・サービス業で働く労働者の時間外は天井なしの状態です。現在、私たちユニオンが労働審判で闘っているドラッグストアーの商品運送運転手の時間外勤務は5か月で360時間(過労死ラインをこえている)にも達しています。会社は、時間外手当を払わず、9500円の日給に含まれているとうそぶく始末です。

・私たちユニオンは、このような中小で働く労働者を過労死から守るために、労働者が50人未満の事業所に産業保健サービスを行う茨木地域産業保健センターと連携し、相談窓口の機能のアンテナを広げていきたいと思います。

周りに長時間労働に追い込まれ、肉体的、精神的に病んでいる労働者をご存知の場合は、必ずユニオンにご相談ください。

・この運動が広がることによって、法律がめざす、週60時間以上の労働者を全体の5%以下、年休取得率を70%以上にする、すなわち過労死を許さない空気が広がってくのだと思います。