《6月労働サポート・交渉記録》 突然の解雇を闘う

臨時職員の雇用・試用期間中の解雇・異動にかかわる解雇おどし

I市臨時職員パワハラ・再任用

I市の植物園は2名正規・2名臨時・5名シルバーの職員で構成された職場で、それぞれがより良い市民サービスを提供するためにがんばっています。そして、現業ということもあり仕事に対する誇りも人一倍。ややもすると古参株が職場の指導権を握り他の職員に対して厳しい口調や態度にでることがあります。高じて、一人の職員へのパワハラにつながり、3年目の臨時職員Aさんへ向かっていったようです。

・地方公務員法22条で「臨時職員の任用は6か月で1回だけの更新」ができるとなっています。臨時職員は常に雇い止めの不安に駆られているし、Aさんも同じ気持ちです。職場のトラブルが雇い止めにつながるのではないかと心配になりユニオンに加入しました。

・6月、ユニオンはAさんの不安を取り除くためにI市と折衝しました。パワハラの温床になっている指揮命令の体制の乱れをあらためるため職員朝礼などによる連絡体制を確立すること、そしてもうひとつ、臨時職員の任用の不安を取り除くために、年度内で雇い止めするのではなく更新による任用をつづけるように強く申し入れました。

★ 医療法人R老健施設異動・解雇おどし

・一般的に就業規則に「業務の都合や職員の健康状態により、異動を命ずることがある」とし「正当な理由なくしてこれを拒めない」とは書かれていますが、労働者にとって人事異動は労働条件の変更です。

R老健施設の正規の介護職のBさんは、事務長から「職員から苦情が出ている、あいさつしない、感情的に仕事をしている」などくどくど文句を言われ、挙句の果て「異動を断れば、ここで仕事をすることは相当厳しい」などと言われユニオンに加入しました。

・ユニオンは団体交渉を行い、事務長から「異動の意向打診の際に解雇につながるような誤解を与えたことへの謝罪」と「異動先での勤務に関して、組合員の個別事情を配慮」と「就業規則に記されているような有給休暇の取得」などへの配慮を法人と確認しました。

・新しい職場で、組合員のBさんが不当に扱われないように見守りたいと思います。

★ 京都D百貨店化粧小売店解雇

・大手の百貨店の化粧品小売店に勤務するCさんは、派遣から直接雇用の契約社員として3年働いていましたが、突然、解雇を言い渡されました。心配になりユニオンに相談に来られ加入しました。

・通信販売の中で小売店の競争は熾烈を極めていますが、この小売店の業績も芳しくなく解雇にでたようですが、Cさんはそのショックでストレスと思われる炎症が顔に出て解雇を言われてから出勤できない状況でした。

・ユニオンは会社と団体交渉しましたが、就業規則にある契約社員の有給休暇などを周知していないことがわかり、解雇手当と有給休暇の買取りという方向で和解にいたりました。

★ 高槻M物流会社 試用期間中の解雇

Dさんが入社直後に同僚から聞いた話で「月給ではなく3ヶ月間は日給7,000円。退社時間が遅く時間外勤務手当もない。公休日が週1回。3ヶ月間は社会保険の加入も認めていない。」とのこと。そこで、Dさんは入社3日目の4月22日、勤務条件が求人情報及び社長の説明と異なることを指摘しましたが、社長から誠意ある回答がなく、逆に、社長から不適格ということを言い渡され解雇されました。

Dさんは勤務条件が求人情報及び社長の説明と異なること。また、入社時に雇用契約書が渡されていないなどについての訴えがユニオンにあり加入しました。茨木労働基準監督署に「申告」を行いました。

・申告の内容は、申告人は、①求人情報及び社長の説明と労働実態が異なること。②毎月25日締め月末支給の賃金(3日分)が未払いである。③5時間(20日1時間、21日3時間、22日1時間)の時間外勤務手当が未払いである。④通勤手当(月定期)が未払いである。因って労基法15条、32条、37条などに基づき株式会社マツキに対して厳正な調査の上、勧告等の指導を求める。というものです。

M物流会社から、未払い賃金の一部、時間外勤務手当未払い分の一部および通勤手当相当分の一部が振り込まれたことを確認し、ユニオンは労働法や労基法にもとづく賃金や就業の改善に努めるように強く申し入れました。