茨木市『非核平和展』

2019/7/30~8/2 @茨木市役所

・子どもたちと考える戦争と平和in2019茨木実行委員会は展示で茨木市に協力しました。

 

【高校生の描いた原爆絵画展】

・広島市立基町高校の高校生が被爆者のみなさんから聴き取り描いた「原爆絵画パネル」に食い入るようにご覧になる人が多く見られました。あまりに悲惨な記憶を語る被爆者とそれを受け止め創造して描いていく高校生との緊張関係を感じとり、平和の大切さを紡いでいく高等学校の優れた教育を感じとりました。平和教育は子どもたちとの実践を通してこそなりたつということをあらためて感じることになりました。


【戦意高揚プロパガンダ展示と映像】
27日の毎日新聞の夕方トップで関心を持たれ、「戦意高揚ポスター・雑誌展示とプロパガンダ映像」を見に来られたかたもおられました。

・高校の若い先生、児童文学紙芝居に興味のある図書館職員、夏休みで親子で見に来られた市民、さまざまな人が河田隆史さんの所蔵品をていねいにご覧になり、ひとつひとつに河田さんが説明されていました。

・一般市民が興味を持って見てもらえるだけで、戦争と平和展の目的は達成していると河田さんはおっしゃっておられます。人びとに客観的な事実や真実を提供しない現在のマスコミの問題は、戦時宣伝と通じるところがあると思いました。

 

【沖縄戦遺品が語る戦争】

・アメリカ兵をくわえると20万近い死者を出した沖縄戦。その遺骨を生涯をかけて収容されてきた国吉勇さん。高齢になられ、その活動を応援する茨木出身の大学生西尾慧吾さんたちの力で沖縄戦遺品展示が全国で行われ、この戦争と平和展にも展示協力していただきました。

・西尾さんは「琉球処分」を「琉球併合」すなわち植民地化と呼ぶべきだと話されます。大和の沖縄への差別構造の上にいまの米軍基地など政治課題が横たわっているあらためて感じることになりました。

82日、主催者の茨木市の福岡洋一市長がお見えになり、「いつもご苦労さまです、勉強させてもらいます」とおっしゃって各展示パネル、展示物をじっくりご覧になっていました。子どもたちと考える戦争と平和実行委員会がこういう機会を得たことのお礼を申し上げました。

【茨木市『非核平和展』好評の中900人が参加】

・男女共生、人権などの職員のサポートで無事に片づけが終わりました。

・行政と市民の共同で「戦争と平和展」は成功したと思います。900人の子ども若者市民のそれぞれの参加者が、じっくり展示物を見られていました。それだけでも良かったです。

・私たち子どもたちと考える戦争と平和展in茨木実行委員会は、ひとりでも多くの市民に戦争の実相と平和の大切さを考えていただくことだと思っています。そういう意味で、意識のある人だけでなく市役所に訪れたついでに見ていただいたことが良かったし結果を誇りに思います。

 

【戦争に向き合われた3人のトークセッション】

84日茨木市『非核平和展』若者の平和へのメッセージ・トークセッション@ローズWAM

・沖縄戦遺骨収容活動と全国展示で遺骨遺品に光をあてられた西尾慧吾さん、広島原爆被害者から聴き取り油絵で表現し閉ざされた被爆者のこころに光をあてた石田菜々子さん。二人は、これまで無知であった自分を素直に認めながら、活動を通して、戦争の本質を学んでいかれる。私は光をあてられたものそれ自体で大きな力を持って次の世代に引き継がれていくと感じました。

・西尾さんはガマから出てきたタンスの取手をとおして、激しい戦闘で地上を追いやられた沖縄の人びとがいたこと、そのガマに日本軍が侵入して米軍との交戦すなわち火炎放射で住民が巻き込まれたこと、また、ガマからコンドームがでてきたことで慰安所があったことも活動を通して学ばれたようです。

・石田さんは被爆者のお話を聞き油絵と格闘しながら自分自身が生きているこの場所に、今とは違う風景があったということを実体験し、描くことに没頭していくと被爆者の心のひだにまで入り込んで被害者を傷つけている自分を知ることになります。

 

・トークセッションをコーディネートしていただいた河田隆史さんは、お二人の気持ちや考えを素直に引き出され、誘導することもなく押しつけることもなく、教師らしかぬ素晴らしい司会でした。河田さんの高等学校でのパネルを使った実践もあらためて報告願いと思っています。