塩田和人さんの吹田市への復職に大きな弾み 国会において、成年後見人・欠格条項の廃止法が成立

・6月7日、第198回の通常国会において「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」が成立しました。成年被後見人・被保佐人の欠格条項が削除されたということです。

・6月18日、塩谷和人さんへの欠格条項による雇い止めを許さず吹田市への復職を求める控訴審が開かれますが、この法律の成立により大きな弾みがついたと言えます。 

・控訴審で弁護団が強調しているとおり、塩田さんの1度目の失職は、欠格条項該当を理由とするものでした。今回の法改正で、欠格条項がなくなることからすると、吹田市が塩田さんを市役所で働かせない大義名分が名実ともになくなったと言えると思います。

 

4市1町に 欠格条項を撤廃するための要求行動を

 ・国会の論議でも明らかなように、国の見解として、一律に排除することを改める法律であり、地方自治体に対して理解を求めていることから、ユニオンとしても吹田市をターゲットに欠格条項の撤廃と塩田さんの復職を求めるために全力を尽くします。

 

吹田市の塩田さんの失職が内閣委員会での論議に

 ○初鹿委員(立憲民主党)

・今回の法改正のきっかけとなった一つに、大阪の吹田市の非常勤職員の方が、成年後見をつけたら失職をしてしまった、それで訴訟を起こしたということがあったと思います。

・この例を見ても、やはり、自治体の職員で働いていて失職をしてしまう、その判断というのは自治体の長が行うわけですよね。自治体の長が条例などをつくってやっているわけですけれども。

・今回、心配なのは、障害者雇用の水増し問題が国でも起こって、非常に不適切な対応がされていたということがわかりました。これは自治体においてどうなのかということを調べていったら、自治体でも同様なことが起こっていたわけですね。つまり、自治体の現場では、障害者自体を雇うこと自体、ある意味、面倒くさいとか手がかかってしまうだとか、そういう意識があったから、ああいうことが行われていたんだと思います。その意識が変わらないままに、心身の故障によって個別的に審査をするということになると、そういう規定が残っていると、結果として余り変わらないような状況になってしまうんじゃないかというように思うんですよ。

 この規定があるから、成年後見をつけたから一律にやるわけじゃないけれども、やはり失職してもらいますねみたいなことになりかねないので、これはやはり自治体の首長の皆さんにしっかりこの制度の趣旨を徹底をして、障害者の権利を侵害するような、そういう対応はしないようにということを本当に国から徹底してもらいたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

宮腰国務大臣

・今回の法改正は、制度を利用していることを理由として一律に排除するのではなく、各資格、職種等にふさわしい能力の有無を個別的、実質的に審査し、判断する仕組みとすることで、誰もがその能力を発揮し、社会参加できるための第一歩になると考えております。

こうしたこの法案の趣旨につきましては、仮に法案が成立した際には、内閣府から各都道府県に対して周知をし、その際、自治体の首長にも御理解をいただくとともに、現在、成年後見制度の利用促進を主に担当している厚生労働省ともしっかり連携をいたしまして、厚生労働省が実施する市町村セミナーあるいは市町村向けのニュースレター等において取り上げていただくことを想定いたしております。

 いずれにいたしましても、今回、制度を利用していることを理由として一律に排除をするということをしっかり改めるための法案でありますので、この点については自治体につきましてもしっかりと徹底をしてまいりたいというふうに考えております。

 

(国会会議録2019517日)