福祉より軍事の安倍政権

2019/1/24 連合通信 どうなる暮らし?2019年度予算案を見る

 

福祉より軍事の安倍政権

・2019年度予算案の国会審議が始まります。10月の消費税引き上げ〃対策〃として打ち出されたポイント還元や商品券バラマキなど突っ込みどころ満載の予算案ですが、中でも異常なのが防衛予算。米朝対話で緊張緩和が進んでいるのに、軍拡アクセルが踏み続けられています。

 

増え続ける米国からの「爆買い」

・第2次安倍政権の誕生以来、増加の一途をたどっている防衛予算。来年度は5兆2574億円と過去最高を更新する見込み。単年度の予算には現れてこない後年度負担分も5兆円以上積み上がっています。

・なぜ、これほどの軍拡が進められるのか? 理由は、購入兵器を見ると分かります。実は購入兵器の予算上位五つのうち、四つが米国製兵器なのです。

・「日本との貿易赤字はけしからん」というトランプ米大統領赤字の脅しに、安倍首相が〃兵器を買って穴埋めする〃と応じたもの。購入価格は米国の言い値で来年度だけで総額7千億円に達します。

 

年金削減だけで2500億円

・軍拡の直撃を受けているのが国民生活。高齢化に伴い医療や介護、年金への国の支出は年に数千億円単位の自然増になりますが、これが毎年千数百億円ずつ削減されているのです。

・この削減分は、中小企業の従業員が加入する協会けんぽへの国庫補助金(15年から3年間で約千億円減)など、労働者の生活と健康に直結するものばかり。こうした削減とは別に、法改悪による給付減と負担増も続いています。

・年金に関しては、現役世代の減少率などに併せて支給額を削っていくマクロ経済スライドの実施で来年度は2500億円が削減される見込み。15年度の4500億円に次ぐ大削減です。

・医療も来年10月から、低所得の後期高齢者を対象に医療保険料を最大9割軽減してきた特例措置を廃止。保険料は2~3倍に跳ね上がる見通し。生活保護の給付も引き続き削られます。

・消費税増税の一方で、軍拡を続けるのか、国民の暮らしに目を向けるのか? 政治が問われています。

  

自衛隊関係者も爆買いに疑問符

・米国からの〃爆買い〃には軍事専門家からも疑問が出ています。元陸将の山下裕貴氏は「貿易摩擦が起きるたびにアメリカから兵器を購入していったら、安全保障上の自主性が失われてしまう」(文芸春秋1月号)と懸念を表明。別の元自衛官は「F35戦闘機が日本の防衛に本当に役に立つかは疑問」と批判しています。

・垂直離着陸が可能なF35Bを搭載するため、「いずも」型護衛艦を空母化する研究費も7千万円計上されました。実現すれば他国への攻撃能力を飛躍的に高めることに。明らかな憲法違反にも足を踏み込んでいます。