正則学園高で教員スト 理事長への「早朝あいさつ」廃止求め

2019/1/9 TOKYO MAX 正則報道

東京・千代田区にある私立高校の教員が、「理事長への早朝あいさつ」の廃止など労働環境の是正を求めてストライキを決行しました。

・夜明け前の午前6時半、創立120年以上の歴史を誇る正則学園高校の前に集まったおよそ20人の教員たちは、ガムテープでつながれた「ストライキ中」と書かれた大きな紙を掲げていました。気温0.8℃という身を切る冷え込みの中、学校で続けられている“ある儀礼”を巡っての抗議活動です。
・教員が校内で撮影した動画には、「理事長・学園長室」と書かれた部屋に人が列を作って入っていく様子が写っていました。
・教員が加入する労働組合によりますと、学校の始業は午前8時ですが、実際は7時前に出勤する理事長への「あいさつ」が長年の慣例となっているということです。そのため、多くの教員がほぼ毎日、6時半ごろに出勤していますが、その分の時間外手当は出ていないということです。ストライキに参加した教員は「理事長へのあいさつに遅れてくる先生たちは、いつもどう喝される。『ばか』『あほ』と言われたり『ふざけるな』と言われる」「理事長は強制的に出勤させていないと言うが、みんな軒並み6時半すぎには出勤している。強制は明らか」などと訴えています。
・教員への取材を続けていたところに、理事長の乗った車がやって来ました。助手席から降りてきた理事長に対し、教員らは詰め寄り「ホームページの(掲載内容を)撤回してください」「事実でないですよね」「待ってください。おかしいですよ」「理事長、儀式をやめてください」などと口々に訴えましたが、理事長は呼び掛けに答えることはありませんでした。
・学校側は教員らの訴えに対して、ホームページなどを通じて「教職員に対する早朝あいさつの強要をしている事実はありません」とコメントし、真っ向から反論しています。
・教員らは「理事長のための時間を生徒のために使いたい」として、今後も授業に影響のない範囲で早朝のストライキを続けていく方針です

 

言い分は真っ向から対立 教員vs学校側

・正則学園高校は1月8日が始業式で、この日から3学期が始まりました。大学受験直前の生徒も多くいるため授業への影響も気になりますが、ストライキは生徒の登校前には終えたということです。
・教員らのストライキは「理事長へのあいさつ」という慣例への抗議以外にも、1日に14時間半にも及ぶ長時間労働の改善、残業代の支払い、非常勤講師の待遇改善などを求めています。そのため、教員らは私立学校の労働環境改善に取り組む組合に加盟し、団体交渉を求めています。
・教員らの訴えに対し、学校側は「理事長へのあいさつに強要の事実はない」、長時間労働については「許容していない」つまり「長時間労働を認めてない」とコメントしています。
・今後、教員らはストライキを午前6時半から8時の授業前までの時間帯でタイミングを見つけて実施し、毎朝の「理事長へのあいさつ」には参加しない方針です。一方の学校側は、教員らと団体交渉をする方針としています。