『「子どもの貧困」を考える』

2018/2/6@大阪弁護士会館   中塚久美子さん( 朝日新聞生活文化部記者)

貧困問題連続市民講座開催

 

・2月6日(火)大阪弁護士会館で朝日新聞生活文化部記者の中塚久美子さんが『「子どもの貧困」を考える』をテーマに話しをされました。寒さが厳しい中、約150人の聴衆が参加し2時間にわたる熱のこもった講演でした。

・子どもの相対的貧困率は13.9%、3人世帯であれば年間211万円の収入。1か月で考えると17.6万円の家計。子どもに中高生がいると学習費が7万円(1か月にならして)かかり残り10万円で生活をする勘定。

・そんな状態の子どもが40人学級に5~6人います。生活保護世帯の高校進学率は平均から24%下がり67.4%、中退率は全国平均の3倍の4.5%、大学進学は32%下がった20.0%になっています。

・このような経済的状況と関係して児童虐待が起きる環境が生まれます。男女の賃金格差の現状、養育費をもらわない傾向(世界的に整備されていない日本)の日本社会において、母子家庭の82.7%は生活の苦しさを訴えています。

・一方、さまざまな支援活動として①学習支援②居場所~育ちの支援③子ども食堂が全国でも展開されています。法的には子どもの貧困対策法が2014年1月施行されていますが、貧困率の削減数値目標がない、保育・医療に触れていないなどの問題点があります。

 

・栄養格差を縮める完全給食や生活保護と収入認定の問題など既存制度の点検の必要性。英米での取り組みや経験も紹介され、日本での子どもの貧困対策をどのように活かしていくか。貧困を生み出す構造的問題は見えにくいが、そこに対して気づきと理解、アクションが必要と訴えられました。(OK)