「ともにまなぶ ともにいきる」のブックレットで障がい者運動を拡散しよう!

〈サポートユニオンwithYOU・共生ジャーナル〉で合田亨史さんお話し

・5月30日に〈共生社会ジャーナル〉を開きました。冊子「ともにまなぶ ともにいきる」を発刊されているライターの合田享史さんを招いて「障害者権利条約と大阪の『ともに学ぶ』教育」をテーマに取材を通して得た考えや情報を提供していただき、13人の参加者と共に議論を深めました。

・合田さんの問題意識は、世界の障害者自身の声を集めて作られた障害者権利条約を、日本政府は2014年1月批准したが、ほとんど知られていないのではないかという点でした。批准するために、障害者基本法(改正)、障害者総合支援法、障害者差別解消法といった国内法が整備され、「医学モデル」から「社会モデル」に大きく舵を切らしたのがこの条約でした。障害というのは、個人の問題ではなく、それを受け入れられない社会に問題があるとする考え方です。

・「ともにまなぶ ともにいきる」第2号を発刊するにあたり、権利条約が私たちに求めている点について姜博久(カン・パック)さんに(障害者自立生活センター・スクラム代表理事)尋ねました。権利条約のキーワードとは、障害をもっていない人ができることはすべての人々に平等に保障されるべきであるという点です。同じ状況になっていないのであれば、それは「差別」であり、その差を埋めていくことが「差別をなくす」という指摘です。

【「ともにまなぶ ともにいきる」は大阪からはじまり、現在も続いている】

・更に、権利条約の求めている解答のヒントは、大阪の「ともに学ぶ」教育にあったということで、現在四天王寺大学で科目等履修生として学ぶ澤田健太さんのケースと創立以来約40年にわたって障害を持つ生徒を受け入れている西成高校のケースを取材されました。

・澤田さんは、原学級保障の小中学校で通い、普通高校で学んだ21歳の若者。地域でみんなと同じように育ったから「自分は、自分でいいのだ。」と自信をもって、現在大学での科目履修の学園生活を送っています。

・西成高校の場合、重度の障害を持つ生徒が入学する中で、2006年には「知的障がい生徒自立支援コース」が開設されていった経緯があり、様々な受け入れの経験を持っています。現在は、障害の有無にかかわらず、すべての生徒を大切にすることを柱にして、教師も生徒も専門の特別な係りを作らず、みんなで支援する体制を作ってきました。修学旅行も外部機関と連携したりして協力の輪を広げていきました。そのような体制作りがあって、多くの生徒がともに学ぶことができるのです。

・当日、今春、春日丘高校定時制に入学した新居さんも参加して、支援学校、地元の中学校、高校と様々な教育機関で学んだ体験を保護者が話されました。看護師の配置で付添をしない方向で検討していることや化学部に入部する意向であることも話され、体制が整えば可能性が大きく広がることも改めて痛感しました。

【学校と地域の切れ目を埋める】

・意見交換の中で、「ともにまなぶ ともにいきる」を切れ目なくすすめるためには、学校の授業時間で行われている「ともにまなぶ」実践だけでなく、課外での子どもたちの自然な触れ合いが大切ではないかという考えも出されました。・小学校で授業が終わった後、障がい児が学童保育に参加できないとするなら、中学校で部活動に入れないとするなら、そして、地域の障がい者受け入れ施設に行かざる得ない状況があるとするなら、それは、「ともにまなぶ ともにいきる」の視点からどうなのかという意見でした。