共生ジャーナル報告「技能実習生と日本語教育」

2021/12/4 ローズWAM

・12月4日(土)今年最後の共生ジャーナルは、私たちのユニオン活動を支えていただいた真嶋潤子さんと牟田和男さんが来年2月ドイツに留学される予定もあって、年内に学習会を設定しました。

・また2021年6月には、真嶋さん(大阪大学名誉教授)が「技能実習生と日本語教育」を編者として上梓されていたことや共同執筆者の牟田さんや道上史絵さんも出席頂くことが出来るということで今回の企画が実現しました。

・この著書は、現在の日本社会が抱える「外国人労働者」の問題を「技能実習生」の日本語教育の面から焦点化して問題提起、本の帯にも「なぜ彼らは日本語が出来ないか」というショキングな文字が並んでいます。2019年には「日本語教育の推進に関する法律」が成立し「日本語教育推進基本方針」までが出来ていますが、道上さんらが2021年にベトナム人技能実習生対象(220人)に取られたアンケートでも、日本社会における様々な課題が浮き彫りになっています。ベトナムの人たちが日本人と上手くコミュニケーションが取れないのは、これまでの仕組みでは日本語教育の機会が保障されていないことに原因があります。日本語習得の目的が資格取得等にあって「明日職場で使える日本語」の取得になっていないのです。道上さんが通訳などを通じて労働相談に応じたケースにおいても、トラブルが起きた時、社会的弱者に転じてしまうことが報告されていました。

東南アジア出身の数十万人の若者の中から毎年約10000人弱の失踪者、100人余りの原因不明の死者がいる現実。もし数年間で100人を越える日本の若者が亡くなっていたら日本社会はどう受けて止めるのかという問いかけに言葉を失います。

 

外国人に日本のやり方を学んでもらいたいという技能実習生の制度のあり方を見直す一方で、外国人を知る機会を作る作業を身の回りで積み重ねることが大切だと思いました。

その一つ試みが、18日のベトナムカフェ(11時ローズワム)ですので参加ください。