こども&親の「居場所」のとりくみに学ぶ

吹田の小谷訓子さんから、CoCoステェーション・こらぼれチップス・チャイルドラインに学ぶ

   高槻市の教員であったが、出産を契機に退職し子育てに専念していた。その後、幼稚園、小学校などのPTA活動や婦人会館でのたくさんの女性との出会いを通じて世界が拡がり、個人が抱えた問題を解決するのではなく、社会の仕組みを変えていくことの重要性に気づきながら学び直した。自分にとって人生の第2ステージが始まった時に、虐待報道に接して(生まれた子どもを母親が殺してしまう事件)助ける人が周りにいなかったのかと思い、ともに学ぶ相棒と子育てしている女性の手助け(リリーフ)をしようと「子・己育ち相談リリーフ」を1993年設立し活動を始めた。

 

   子育て井戸端会議、保育ボランティア養成講座、子どもの人権を考える会、子どもの人権の視点でのまちづくり塾などを行った。親子が集う場を提供してほしいと公民館にお願いしたが、当時公民館は大人が静かに学ぶ場所、子どもが来てガチャガチャする場所ではないという認識であったために断られたが、西山田公民館のみが理解を示してくれて、地域の子どもたちが育ってくれるのであればと協力してくれた。

 

   子どもの視点での街づくり塾では、学校を中心に地域のまちづくりを考えようとする考え方と就学前の親子が集う地域の拠点づくりをしようとする考え方の2つの路線があったが、私たちは親子の居場所づくりをしようと、商店街の空き店舗事業として「子育てCoCoステーション」を立ち上げた。内本町コミセン横の商店街でスタートしたが、千里山の商店街に移し活動を展開。吹田市の子育て広場事業運営団体として委託を受けた。しかし集まってくる人は元気のいい人が多く、行き場を失っているような人が参加しにくい空間になっていた。

 

   2号店として岸部に「こらぼれチップス」(いろんな人がコラボレーションする部屋・韓国語でチップは部屋の意味)を開設。誰でもが参加できファミリートークが出来る場所として2006年開設した。広場は火曜日木曜日土曜日の3日開催として、残りの日は自分たちで工夫してほしいと思い敢えて3日間のオープンとした。また、大型マンションに出会いの場づくりのために「お出かけひろば」を開催。

 

   2階をひろばと事務スペース、3階を学習スペースとして利用。週1回の「きらりんキッズ」(就学前の子どもが親から離れて時間を過ごす場)や「きしべ塾」(2中校区での無料学習支援)を試行。高校に行きたくないと言っていた中学生が、通所することで無事に公立高校に合格したが、学習支援の負担も大きく半年で試行は終わった。

 

   顔は会わせたくないが、電話でなら繋がることができる子ども専用電話「チャイルドラインすいた」を2014年開設。「チャイルドライン」は、1986年イギリスではじまり現在は145か国が参加し1998年には東京世田谷を皮切りに41都道府県72か所で行われている。大阪では南大阪を中心に6か所あり北摂では初めての「チャイルドライ」となった。月曜日から土曜日4時~9時、一日電話2台、3人体制で15~20件受けている。全国では、日に1700件相談がある。本部への会費負担2万円/年、研修開催など負担も大きいが、子どもたちへの案内カードの配布(京阪沿線は未配布地域であったので大阪の他地域との団体と協力して市教委通じて配布、学級数、人数に応じてきっちりカウントして学校に配布した。豊能地域は未配布地域)など活動が広がっている。

 

 

※子ども、保護者が集まってくる空間を作ろうとする作業は、行き場を失った子ども、親を焦点にしていろんな場所でいろんな方法で試行された4半世紀のグループ活動であった。(OK)