関西学生アルバイトユニオン「学生生活サポート協約」(休職・シフト削減で合意)

201/4/2 労働相談アドバイザー養成講座⑤ 泰山義雄(職場の人権)・佐藤晃司(かんユニ)

〈大学生のアルバイトの現状〉

・ 大学で実施したアンケートや労働相談で、「テストで入れないと言ったのに、知らない間にシフトが変えられていた」「給与から勝手に店の材料費を天引きされる」「どんどんシフトを増やされて、辞めると言っても、辞めさせてもらえなかった」などの声が寄せられました。「学生が学生らしく学ぶことができない」ブラックバイトが横行して、多くの学生が「辞めたくても、辞めることができない!」と感じているようです。

・ 私たち、関西学生アルバイトユニオン、ブラックバイトユニオンは、Fコンビニで働いていた2人の学生アルバイトの方から、損害賠償請求などを伴う執拗な退職妨害に遭ったという相談が両組合にありました。偶然にも同じ雇い主との間のトラブルであったということで、関西学生アルバイトユニオンとブラックバイトユニオンが共同して、団体交渉の申し入れを使用者に対して行い、共同で交渉を行ってきました。

・ 今回の事例は、契約締結時に就職活動期間中のシフトへの配慮について合意していたにも関わらず、実際にはほとんどそれがなされなかったためにメンタルヘルスが一時的に害されるに至ったという点で、学生に特有の問題を含む一つの典型的なブラックバイト事例であるといえます。

〈Fコンビニ経営事務所との交渉〉

・ 両組合が団体交渉を続けた結果「学生生活サポート協約」という労働協約を締結するに至りました。

・ 「学生生活サポート協約」のおもな内容

①学生生活中心のアルバイト勤務で過度な負担をしない

②試験期間前と試験期間中に学業に専念のためのシフト削減

③就職活動に専念のための休職を希望する場合、シフト削減・休職を申請

④健康上の理由によるシフト削減・休職の申請

⑤退職希望を妨げるような威圧的言動の禁止

⑥退職者に対する損害賠償請求の禁止

〈これからの問題〉

・ 「深夜の一人勤務体制」・「フランチャイズ」の問題へのアプローチ

 

・ 「労働協約」を就業規則に反映させる