生活困窮者自立支援制度 ※山田治彦弁護士

2015/12/10 サポセン第7期連続講座②

・報告者の山田弁護士は「多重債務整理 ヤミ金 サラ金」問題や「自殺対策 奨学金破産」問題のパイオニアであり、今や、奨学金の破産は7万件の中1万件にのぼっている現実をはじめに紹介されました。

・2015年4月から施行された「生活困窮者自立支援法」は、経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなる恐れのある者に対する対処法であり、生活保護に頼らざる得ない状況に歯止めをかける自立支援法で、第2のセーフティーネットとも言われています。

・複合的な問題を抱える者が〈制度の狭間〉に陥らないような幅広い対応が必要で、具体的に何に困っているのか、どういう問題で困っているのか、ワンストップサービスで対応し一定の成果をあげてきています。

・最初に「法の周知」をすることが必要で、行政の広報は当然のことながら、シティ誌や各種パンフレットでの周知や、対象者が集まりやすいと思われるネットカフェ、銭湯などもターゲットになると思われます。また、対象者の早期のためには、保険料や公共料金の滞納、民生委員、自治会、ボランティアの見回り、ライフライン事業者などの活躍が期待されるところです。

・具体的な支援としては、「居住確保」「就労準備支援」「学習支援」「家計相談支援」「一時生活支援」などがあげられます。「一時生活支援」では、地域差もありますが、緊急物資・社協の物資・水道局の備蓄・パン屋からの提供もはじまっています。

・各自治体には「生活困窮自立支援の相談窓口」が設けられていて、相談しやすいように名称も考えられているようですが、相談員の多くは非正規職員で、委託された事業所から出向されているケースが多いということもわかりました。それぞれ一年契約なので落ち着いた継続した支援が難しいということも明らかになりました。

・持ち金がほとんどない状態で相談に来られ、自治体の窓口に付き添って行ったというユニオンからの報告もありました。

・私たちユニオンは、貧困の連鎖を断ち切ることができればとの思いで、ひとり親家庭の学習支援にとりくんでいます。